旧年中はお世話になりました。心よりお礼を申し上げます。
■旧い十年と新しい十年の分岐点に立ちました。折しも昨年は、グローバル危機から一転、アメリカそして日本でそれぞれ歴史的な政権交代が起きました。いずれも「Change - 変革」に向けて大きな期待を背負った大転換でした。旧政権への不満と新政権への期待が大きかっただけに、いざ始まると足元が泥濘み、勢いに陰りが見えます。これは変革の始まりか、それとも迷走か。明治維新も最初はかくあるべしか。標題の老子の故事 (第六三章) に倣うべし。
暮にはコペンハーゲンで今後の気候変動政策を決めるはずだった国際会議(COP15)が開催されました。「大失敗」と嘆く声から「最初の一歩」と評価する声まで大きく分かれていますが、ともあれ「京都」以降の新しい十年の始まりです。
この十年で、IT化、同時化、個人化、柔軟化、知識社会化などを特徴とするグローバル化が否応なく急速に進展した世界の中で、日本は一気に「ガラパゴス列島」化が進んだように思います。意思決定者や知識人層が国際的なディスコースを共有せず(=つまりタコツボ化)、実践や現実感覚に欠けた「上滑りした空論」が横行していることが深(真)因ではないでしょうか。
試金石は、年率60%もの爆発的な成長期に入った自然エネルギーを核とする「グリーン成長」の実現です。自身十年来の宿願である自然エネルギー全量買取制度も、「逆艪」で骨抜きとなるか、それとも真の変革か、正念場の年です。
■2009から2010年にかけての仕事
・環境エネルギー政策実現:新政権の地球温暖化タスクフォース委員に選任され、鳩山総理の目指す「2020年25%削減(1990年比)」実現シナリオを目指す。思いがけず「事業仕分け人」にも指名され、外務省と経産省を担当する。
・自治体からの政策革新:東京都、環境省、ICLEIの協力を得て、ローカル自然エネルギー国際会議を開催(09年10月)。東京都は4月にキャップ&トレード開始。神奈川県、横浜市で温暖化条例成立、川崎市では審議会答申。周南ふるさと大志を拝命(2008年から)。
・国際政策連携:昨年は「世界自然エネルギー機関」(IRENA)設立会議、国連グリーン・ニューディール会議などに出席。今年は 世界バイオマス協会総会(2月)、徳州市世界ソーラー都市会議(9月)、デリー自然エネ国際会議(10月)等
・社会的起(企)業:エナジーグリーン(株)も多くの皆さまの出資を頂き、順調に推移。今年は多方面とのコラボによって一段の飛躍と変革を目指す。
・情報発信:取材・TV・寄稿いろいろ(飯田哲也アンカーブログご参照)。今年こそは遅れに遅れている出版に注力。日経コラム:http://eco.nikkei.co.jp/column/iida/ に加え、 nakata.netでも新連載を始めました。
本年もよろしくお願いいたします。
2010年初春 飯田哲也(いいだてつなり)
環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長
〒164-0001 東京都中野区中野4-7-3 tel 03-5318-3331
mobile 090-8944-5873 e-mail:[email protected] Twitter: iidatetsunari
飯田哲也アンカーブログ http://tetsunari.weblogs.jp/official/
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